抗生物質って、どんなふうに効果があるのか、ご存じですか?

クラミジアの治療に抗生物質を使うことはあなたもご存じでしょう。では、抗生物質がどんなふうにクラミジアを退治するかご存知ですか?

・・◇細菌には効くけど、ウイルスには効かない抗生物質


クラミジアの病原菌はクラミジア・トラコマティスという細菌です。ただしちょっと増え方が他の細菌とは異なり、「偏性細胞内寄生性微生物」と呼ばれています。しかし、一応は細菌です。詳しくはこちらから⇒『ちょっと変わった病原体』

また、クラミジア感染症と同じ性感染症である、梅毒や淋菌感染症の病原菌も細菌です。

一方、HIVやB型肝炎の病原菌はウイルスです。麻疹(はしか)や日本脳炎、狂犬病などもみなウイルスが感染して発症します。

この細菌とウイルスの違い、あなたはご存知ですか?実はこの差が抗生物質の効き目に大きく関係してくるのです。抗生物質は細菌には効きますが、ウイルスには原則効きません。意外ですねぇ!


・・◇細菌とウイルスの違い


細菌とウイルスは何となくどちらも病原菌で登場するし、似たかよったかみたいに思われがちですが、実は全く性質の異なる微生物です。(ウイルスを微生物と呼べるかどうかは議論の多いところです)

ウイルスと細菌の外形的な差はともかくとして、もっとも異なる点はその増殖方法です。

●細菌
ある程度の環境があれば、自分の力で代謝活動をすることが可能であり、細胞分裂を起こして増えていきます。よく、実験室のシャーレの中で培養したりしますよね。あんな環境でも増えることができます。

細菌が人間に感染した場合には皮膚や口、呼吸器や消化器など、細胞の中に入らなくても自己増殖が可能です。

●ウイルス
他の生物の細胞の中でしか増えることができません。自分だけでは増殖機能がないのです。HIVは人の免疫細胞に感染して増殖します。肝炎ウイルスは肝細胞に感染して増殖します。

感染した細胞の中で、宿主細胞の増殖機能を巧みに利用しながら自分のコピー部品を作り、細胞内で組み立てます。そして新に完成したウイルスは宿主細胞からいっせいに飛び出していくのです。


このように細菌とウイルスでは増殖方法が全く異なるのです。そして、抗生物質は、細菌が増殖する工程をじゃまして、新しいコピーを作らせないようにする働きがあります。


・・◇抗生物質の働き


1929年、イギリスの細菌学者アレクサンダー・フレミングがアオカビからペニシリンを発見しました。これが抗生物質の最初の発見でした。アオカビが作り出す物質の中に、細菌の増殖を阻害する働きがあることが分かったのです。

先ほど細菌は自己増殖すると説明しました。自分で新しい細胞を作り出すのです。細菌が作る細胞の壁や膜は人間の壁や膜とは異なります。あくまでも細菌特有のものです。

そして抗生物質は細菌の壁や膜づくりのじゃまをするのです。しかし人間の細胞で使う膜や壁づくりにははるかに少ないダメージしか与えません。よって抗生物質を人間に投与すると細菌の増殖は抑えるけど人間の細胞にはほとんど影響が出ないのです。

ところがウイルスは最初からこのような壁を持っていません。壁や膜を作るじゃまをして増殖を防ごうとしても、肝心の壁がウイルスには最初からないのです。だから抗生物質はウイルスには効果がないのです。抗生物質でウイルスの増殖を抑えることは出来ません。

世間でよく言われるのが風邪と抗生物質の関係です。あなたにも経験があるかも知れませんが、日本の医者は風邪でも抗生物質を処方することが多いのです。私のかかりつけの病院もそうです。私が風邪をひいいて扁桃腺が腫れるとすぐに抗生物質を処方してくれます。

しかし、風邪はウイルスによる感染が原因なので抗生物質では治りません。治らないどころか、むやみやたらと抗生物質を使っていると細菌が耐性を持ってしまったり、善玉菌が減ってその結果悪玉菌が増殖したりします。かえってマイナスになる可能性があるのです。

それでも医者は風邪薬に抗生物質を処方します。それは風邪をひいて細菌感染を合併すると怖いからです。本当に抗生物質を使う必要があるときだけに限定して使用しないと弊害の方が大きくなります。

こんなことを書いている私も、医者から抗生物質を処方されると飲んでしまいます。処方された薬を飲まないと何だか不安ですよね。やはり医者の責任が大きいと思います。

また、抗生物質はウイルスには効きませんが、別にウイルスの増殖を抑える薬もあります。例えばエイズで死ぬ人が激減したのは、体内のHIV増殖を抑える抗HIV薬が開発されたからです。あるいは、ウイルス性肝炎の治療に使われるインターフェロンは肝炎ウイルスの増殖を抑えます。


以上、抗生物質の一般的な働きについて説明してきました。クラミジア感染症の治療に使われる抗生物質については、こちらで詳しく解説しあります。⇒『クラミジア治療の抗生物質』

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