クラミジア感染症の治療に使われる抗生物質はなぜ効くの?

クラミジア感染症の治療には抗生物質が使われます。この抗生物質って、よく耳にしますよね。では、あなたはこの抗生物質の正体、ご存知ですか?

ここではクラミジア治療にも使われている抗生物質について説明します。

◇そもそも抗生物質とは何か?

非常によく耳にする「抗生物質」ですが、その定義は何でしょうか?

『抗生物質の本質と正しく向き合う』(産調出版)によれば、

「生物から抽出した物質で、経口投与、あるいは注射で体内に入ると、血流を通って感染部位に達し、侵入した細菌を殺すか他の方法で不活性化させるものである。」

と書かれています。

また、『細菌の手帳』(研成社)によれば、

「ある微生物によって作り出され、他の微生物を殺したり、増殖するのを抑える物質」

と書かれています。

そして、人類が最初に発見した抗生物質は、あの有名な「ペニシリン」でした。

◇偶然発見された抗生物質第一号とは?

後に偉大な発見と言われるものは、往々にして偶然の産物だったりします。まさに抗生物質第一号もその典型的な例です。1928年イギリスのセントメアリーズ病院の細菌学者であったフレミングは、ある日実験室で偶然興味深いものを見つけます。

それは、彼がブドウ球菌を培養していたシャーレです。シャーレの中でブドウ球菌を増やしていたのですが、どう言う訳かその中にアオカビが紛れ込んでいました。

彼が意図的にアオカビをシャーレに入れたのではなく、全く偶然に紛れ込んでいたのです。フレミングがシャーレを見ると、アオカビの周囲にはブドウ球菌の増殖が抑えられ透明になっていました。

そこでフレミングは、

「アオカビがブドウ球菌を殺す物質を作りだしているのではないか?」

とひらめいたのです。

ここがやはり偉大な科学者と凡人の違いでしょうか。フレミングはちょっとしたこの事象を見逃さず、後に人類を多くの細菌から救う抗生物質第一号、ペニシリンを発見するのです。

◇抗生物質はどんな働きをするのか?

一般に抗生物質と呼ばれるものは、大きくは2つの働きを持っています。

●殺菌性を持つ抗生物質は、細菌を殺してしまう。

●静菌性のある抗生物質は細菌の繁殖や機能を阻害し、活動を弱めたり停止させる。

例えば、クラミジアと同じ性感染症である梅毒の治療にはペニシリンが使われます。ペニシリンは細菌の細胞壁を合成する酵素にくっつき、その働きを止めてしまいます。このため細菌は細胞壁を合成出来なくなり、死んでしまいます。

でも、人間の細胞には細胞壁と言う組織は存在しません。単に細胞膜で包まれているだけです。つまり、ペニシリンは人間は持っていない、細菌にだけ存在する細胞壁を攻撃するため人間に害を及ぼすことがありません。(ペニシリンに全く副作用がないと言うことではありません)

一方、同じ抗生物質でも結核などの治療に使われるストレプトマイシンはちょっと働きが異なります。ストレプトマイシンは細菌がタンパク質を合成するために必要なリボゾームと言う酵素に結合してタンパク質の合成を阻害します。このため、細菌は増殖することが出来なくなります。

しかし、人間もまたタンパク質を合成するときにリボゾームを必要として使います。ストレプトマイシンは人のリボゾームにも多少結合するため、副作用を発症することがあります。

このように、抗生物質は細菌を殺すもの、増殖を抑えるもの、人間に害のないもの、副作用があるもの様々です。

◇クラミジア感染症の治療に使われる抗生物質は?

では、クラミジア感染症の治療にはどんな抗生物質が使われるのでしょうか。

「性感染症STD」(南山堂)によれば、次の3種類があります。

●マクロライド系抗菌薬⇒クラミジアの増殖を抑える。
クラリスロマイシン
アジスロマイシン

●ニューキノロン系抗菌薬⇒クラミジアを殺す働きがある。
レボフロキサシン
トスフロキサシン
ガチフロキサシン

●テトラサイクリン系抗菌薬⇒クラミジアの増殖を抑える。
ミノサイクリン
ドキシサイクリン

ここでちょっとややこしいのは、抗生物質と抗菌剤・抗菌薬の使い分けです。冒頭の抗生物質の定義でも説明したように、本来生物から抽出されたものを抗生物質と呼びます。

これに対して、生物から抽出されたものに人工的な成分を加えたものや、初めから化学的に作られたものを抗菌剤、または抗菌薬と呼びます。

しかし、実際には厳密に使い分けされることなく、全部ひっくるめて抗菌剤、抗菌薬と呼ばれていることが多いようです。

先ほどご紹介したクラミジアの治療に使われる薬もそうです。3種類とも抗菌薬として紹介されていますが、厳密には抗生物質と抗菌剤があります。

●マクロライド・テトラサイクリン⇒抗生物質(天然由来)

●ニューキノロン⇒抗生剤(人口由来)

◇細菌も懸命に生き延びる?

最後に、抗生物質の効かない耐性菌について説明します。フレミングが抗生物質を初めて発見してから、多くの細菌感染症が治るようになりました。梅毒や結核なども不治の病から完治出来る病気になりました。

しかし、段々と抗生物質の効かない細菌が現れ始めました。

その理由は色々とあります。例えば、

①抗生物質の投与量が少なく、細菌が生き残って耐性を持った細菌に変異する。

②抗生物質の投与期間が短すぎて細菌が生き残り、耐性を持ってしまう。

③抗生物質の投与を途中で中断したために細菌が生き残り、耐性を持ってしまう。

④抗生物質の投与期間が長すぎて、細菌が攻撃を受けながら耐性を持つように変異する。

①から③はクラミジアを始めとする性感染症の治療の注意事項でよく見られるものです。

その最も顕著で深刻な例が抗HIV薬で、決められた量を決められた間隔で飲み続けることが必須とされています。

私もよく風邪をひくのですが、扁桃腺が腫れることがあります。すると主治医はすぐに抗生物質を処方してくれます。効き目はあるのですが、こうした安易な抗生物質の処方は耐性を作ってしまい、段々と抗生物質が効かなくなる恐れがあります。

以上、今回はクラミジア感染症の治療に使われる抗生物質について調べてみました。

もしもあなたがクラミジアの治療を受けるなら、医師の指示に従って決められた量を決められた期間服用して下さい。そして、医師がもう飲まなくてもいいと言うまで、勝手に飲むのを止めないようにして下さい。

*クラミジアと淋菌の性器・咽頭(のど)検査が出来ます。
■STDチェッカータイプP男性用女性用
クラミジア(性器・咽頭)/淋菌(性器・咽頭)4種類の検査ができます。

*クラミジアが心配ならHIVや梅毒も危ない!
■STDチェッカータイプE男性用女性用
HIV・梅毒・B型肝炎・クラミジア・淋菌の5種類がまとめて検査できます。

*女性人気No1の検査キット。不妊症が怖い性感染症を検査!
■STDチェッカータイプB(女性用)
クラミジア・淋菌・カンジダ・トリコモナスの4種類をまとめて検査できます。

■この検査の信頼性について(郵送検査認定業者とは?)

■利用者の声(6356件の声をどうぞ)