クラビットはネットの通販で誰でも簡単に手に入ります。

そして、あるクラビット販売サイトでは、

「クラビットはクラミジアにも淋菌にも効く、優れものです!」

なんて宣伝して売っています。

これはちょっと問題です。

【今回のテーマと目次】

●テーマ:クラビットはクラミジアにも淋菌にも効くのか?

1.ネット販売のクラビットとは?

2.クラミジアにも淋菌にも効くのか?

3.まとめ

1.ネット販売のクラビットとは?

クラビットはニューキノロン系の抗生物質です。

薬名としてはレボフロキサシンと言い、クラビットは商品名です。

ネットでクラビットを検索すると多数ヒットします。

クラビット

クラビットは感染した細菌に対して、殺菌的に作用します。

効能としては広範囲な感染症に有効とされており、尿道炎や子宮頚管炎なども含まれています。

すなわち、クラミジアや淋菌感染症も対象疾患に含まれます。

写真はクラビット500mg錠です。凡そ1錠当り500円~800円くらいで売られています。

さて、そこで私が見つけたクラビット販売サイトの話に戻ります。

そのサイトではクラビットの他にも多数の抗生物質を売っています。

サイトを管理運営しているのは個人輸入の代行業者です。

そもそも日本では性感染症の治療に使うような抗生物質は医師の処方箋なしには買えません。

しかし海外から個人輸入することは可能なのです。

そこで私が見つけた販売サイトのように、その個人輸入を代行する形で商売している業者がいる訳です。

これは別に違法な販売行為もでなく合法的です。

ただ、素人が抗生物質を自己判断で使用するのは危険な面があるのも事実です。

抗生物質による副作用の問題や、下手に使うと耐性が出来てしまって薬が効かなくなってしまう危険性もあります。

 

2.クラミジアにも淋菌にも効くのか?

さて、そのクラビット販売サイトを見ると、

「クラミジア治療に有効なクラビット」

こんな宣伝文が目につきました。

つまり、クラミジアの治療薬としてクラビットを販売しているのです。

更に、

「クラビットは淋菌感染にも有効であり、クラミジアと淋菌が重複感染している場合、大変便利です。」

こんな宣伝文も載っていました。

確かに、当サイトでも記事にしてきたようにクラミジアと淋菌の重複感染は珍しいものではありません。

どちらも感染力は強いし感染ルートは同じだし、その上症状が出にくいから二次感染も起きやすいのです。

ではこの販売サイトに書かれているように、クラミジア治療にはむろん、淋菌感染も疑われる場合はクラビットが有効でしょうか?

その答えは、日本性感染症学会の「性感染症 診断・治療 ガイドライン 2016」に載っています。

確かに同ガイドラインにはクラミジアの治療にクラビットも推奨薬として出てきます。

ただし、ジスロマック、クラリスなどの抗生物質がどちらかと言えば多く使われているようです。

まぁ、それでもクラビットが使えない訳ではありません。

問題は、クラビットが淋菌の治療にも使えるかどうか、と言う点です。

実は同ガイドラインによれば、クラビットを始めとするニューキノロン系の抗生物質は淋菌がすでに耐性を持っており、患者の70%~80%には効果がないのです。

クラビットが淋菌治療に有効だったのはもうかなり前の話なのですね。

ガイドラインによれば、現在ではクラビットが患者の淋菌に対して有効かどうか、感受性が確認出来た場合のみ使用、それ以外のケースでは使用不可とされています。

下手に使っても効果がないし、症状を悪化させてしまう危険性さえあります。

また、クラミジアと淋菌が重複感染している場合、患者の症状にもよりますが淋菌治療を優先させることもあり、素人判断で安易に抗生物質を使うことは非常に危険です。

 

3.まとめ

今回のまとめです。

クラミジア治療にクラビットを使うことはあります。

ただし、どちらかと言えばクラビットよりジスロマック、クラリスなどの抗生物質がメインになっています。

また、淋菌治療に対しては、クラビットはすでに耐性の問題で有効性が薄くなっています。

セフトリアキソン(セフェム系)、セフォジジム(セフェム系)、スペクチノマイシン(アミノグコシド系)などが主要な治療薬であり、ニューキノロン系のクラビットは使用されていません。

まぁ、今ここに書いたこともあくまで一般的な話です。

日本性感染症学会のガイドラインにはそう書いてありますが、患者さん個別の症状によって医師がどんな最適判断を下すか、それはまた個別の話になります。

今回、最もあなたにお伝えしたいことは、

「クラミジアや淋菌が不安なら必ず病院へ行って下さい。」

と言うことです。

間違ってもあなたの自己判断で抗生物質を使用しないことです。

思わぬ副作用が怖いし、下手に使って細菌が耐性を持ってしまえば難治性となる恐れも多分にあります。

むろん、あなたにも色んな事情はあるでしょう。

仕事が忙しくて時間がない、近くに病院がない、どうしても病院には行きたくない、そんなことがあるかも知れません。

しかし、クラミジアも淋菌も早く治療して治さないとどんどん進行して重症化する危険性がある病気です。

仮に自覚症状がなくても、軽くてもです。

あなたがクラビットに頼って治療しようとするのは間違いだと思って下さい。

速やかに専門医の診察、治療を受けることをお奨め致します。

むろん、漠然としたクラミジア感染の不安だけなら、まずは郵送式のクラミジア検査キットで感染を確かめてみるのもアリです。

その時にはぜひ、淋菌検査も同時にやって下さい。

性器感染、咽頭感染の両方をお忘れなく。

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